個別株を始めた頃、銘柄について調べると、必ずといっていいほど目にした言葉がありました。
PERとPBR。
「PERは○倍、PBRは○倍」
数字は書いてあるけれど、それが何を意味しているのか、いまひとつ分からない。
解説を読んでみても、
「株価収益率」
「株価純資産倍率」
という言葉が出てきて、さらに難しく感じてしまいました。
当時の私は、
「PERは低い方がいいのかな?」
「PBRが1倍を下回っていたら割安?」
そんなふうに、数字が高いか低いかだけを見ていました。
でも、少しずつ投資の勉強をしていくうちに、PERとPBRは「何倍なら買い」と答えを教えてくれる数字ではないことが分かってきました。
大切なのは、計算式を暗記することよりも、
「その数字が、会社の何と株価を比べているのか」
を理解することでした。
この記事では、以前の私と同じように、
「PERとPBRを見てもよく分からない」
「説明を読んだけれど、結局どう見ればいいの?」
という投資初心者の方に向けて、私自身が「こう考えたら分かりやすかった」と感じた考え方を、図も使いながらできるだけ簡単にまとめます。
※この記事は、特定の銘柄の購入をすすめるものではありません。投資判断はご自身で行ってください。
PERとPBR、最初は数字を見てもよく分からなかった
私はもともと、投資信託を中心に資産形成をしていました。
私が投資を始めた頃のことは、こちらの記事にもまとめています。
私の場合、投資信託は一度積立の設定をしたあとは、基本的にはそのまま続けていました。
ところが個別株に興味を持つようになると、自分で企業を選ぶ必要があります。
そこで銘柄について調べ始めたとき、PERやPBRという言葉を頻繁に目にするようになりました。
証券会社の画面には、
「PER ○倍」
「PBR ○倍」
「配当利回り ○%」
と、いろいろな数字が並んでいます。
でも、投資を始めたばかりの私には、
「で、結局どの数字ならいいの?」
という状態でした。
楽天証券のアプリで銘柄を探していたときには、スクリーナーに「財務健全 低PBR」という項目があるのを見つけました。
「財務健全」で「低PBR」。
言葉だけを見ると、なんだか良さそうです。
当時の私はPBRをきちんと理解していたわけではありません。
それでも、
「低PBRなら、割安でお買い得なのかな?」
くらいの感覚で、銘柄選びの参考にしていました。
PERについても似たようなものでした。
数字の意味を理解するというより、
「高いより低い方がいいのかな」
と、数字の大小を見ているだけ。
でも、投資の勉強をしていくうちに、ある疑問が出てきました。
そもそも、何に対して「割安」なんだろう?
そこで私は、難しい用語をいったん横に置いて、
PER=利益から見た株価
PBR=純資産から見た株価
と考えることにしました。
ここから、ただの数字だったPERとPBRが少しずつ意味のある数字に見えてきました。
PERは「利益から見て、この値段は高い?安い?」を見る数字
PERについて調べると、
PER(株価収益率)=株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
という計算式が出てきます。
……私は最初、これを見てもよく分かりませんでした。
「1株当たり利益って何?」
「10倍とか20倍って、結局どういうこと?」
計算式を覚えても、その数字が何を表しているのか分からなかったからです。
そこで、もっと単純な例で考えてみます。
100万円で買えるお店があったら?

たとえば、毎年10万円の利益を出している小さなお店があるとします。
そのお店を丸ごと100万円で買えるとしたら、
100万円 ÷ 10万円 = 10倍
です。
つまり、1年分の利益の10倍の値段がついている、というイメージです。
株の場合も考え方は似ています。
たとえば、
株価が1,000円、1株当たり利益(EPS)が100円なら、
1,000円 ÷ 100円 = PER10倍
となります。
つまりPERは、
「今の株価は、その会社が生み出す利益の何倍まで買われているのか?」
を見るための数字です。
ここまで理解して、私はようやく「PER○倍」という数字が少し具体的に見えるようになりました。
PBRは「純資産に対して、今の株価が何倍か」を見る数字
次にPBRです。
PBRは、
PBR(株価純資産倍率)=株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
で計算します。
ここで私は、
「今度は純資産……?」
となりました。
そこで、まず「純資産」から考えてみます。
そもそも純資産って何?

会社には、現金や建物、土地、設備などの資産があります。
一方で、銀行から借りたお金などの負債もあります。
かなり簡単にすると、
資産 − 負債 = 純資産
です。
たとえば、
資産が1億5,000万円、負債が5,000万円なら、純資産は1億円。
そして、1株当たり純資産(BPS)が1,000円の会社で、株価も1,000円なら、
1,000円 ÷ 1,000円 = PBR1倍
となります。
つまり、
PBR1倍=1株当たり純資産と株価が同じ水準
ということです。
PBRは、株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標です。
ここまで分かると、私が以前見ていた「低PBR」という言葉も、ようやく意味が分かってきました。
PERとPBRの違いを、初心者向けに整理すると
ここまで読んでも、
「PERは利益で……PBRは純資産で……どっちがどっちだっけ?」
となるかもしれません。
私もよく混乱していました。
そこで、まずはこの二つだけ覚えます。
PER=利益から見た株価
PBR=純資産から見た株価

PERとPBR、どっちがどっち?迷ったら真ん中の1文字
意味が分かっても、PERとPBRは一文字しか違わないので、私は「どっちが利益だったっけ?」と混乱することがありました。
そこで、真ん中の一文字に注目して覚えることにしました。

PERの「E」→「益(えき)」→ 利益
PBRの「B」→「簿(ぼ)」→ 帳簿 → 純資産
つまり、
「PERは益、PBRは簿」
です。
これは本来の英語の意味ではなく、PERとPBRを区別するための私なりの語呂合わせです。
「どっちだったっけ?」となったら、真ん中の一文字を思い出す。
私はこの覚え方が一番シンプルでした。
「PERが低い=買い」「PBR1倍未満=お買い得」ではない
ここまで理解すると、次に気になるのが、
「結局、何倍なら割安なの?」
ということです。
初心者だった私は、ここが一番知りたいところでした。
明確な基準があれば、銘柄選びが簡単になると思ったからです。
でも、PERやPBRは数字だけで判断できるものではありません。
たとえば、PERが低い会社でも、
「これから利益が減るのではないか」
と市場から見られて、株価が低くなっている可能性があります。
反対に、これから利益が大きく伸びると期待されている会社では、その期待が株価に反映され、PERが高くなることもあります。
PBRも同じです。
PBRが1倍を下回っていても、
「1株当たり純資産(BPS)より株価が低いから、必ずお買い得」
という意味ではありません。
会社の収益力や今後の見通しなど、低く評価されている理由があるかもしれないからです。
また、PERやPBRの水準は企業や業種によっても異なります。
だから、
低い=良い、高い=悪い
と覚えるのではなく、
「なぜ、この数字になっているんだろう?」
と考えることが大切なのだと思います。
PER・PBRを知った今、銘柄選びではこう見ていきたい
PERとPBRについて勉強する前の私は、数字そのものを見ていました。
今は、PERやPBRを銘柄を選ぶための答えではなく、企業を調べる入口として使いたいと思っています。
気になる会社を見つけたら、まずPER・PBRを確認する。
そして数字だけで「安い」「高い」と決めるのではなく、同じ業種の会社などとも比べてみる。
さらに、
「なぜ、この会社はPERが低いんだろう?」
「なぜ、PBRが1倍を下回っているんだろう?」
と考えて、業績や利益の伸び、財務状況、今後の見通しなどを調べてみる。
もちろん、初心者の私が企業の将来を正確に判断できるわけではありません。
それでも、
「低PBRだから、なんとなく良さそう」
で終わっていた頃から、
「どうして低いんだろう?」
と考えられるようになる。
私にとっては、それだけでも大きな一歩でした。
PER・PBRは「答え」ではなく、企業を知る入口だった
個別株を始めたばかりの頃、PERとPBRは私にとってただの数字でした。
でも、一つずつ意味を理解してみると、基本となる考え方は意外とシンプルでした。
PERは、利益から見た株価。
PBRは、純資産から見た株価。
そして、もう一つ覚えておきたいのが、
低い=良い、高い=悪い、ではない
ということです。
数字を見たら、
「なぜこのPERなんだろう?」
「なぜこの会社は低PBRなんだろう?」
と、一歩先を調べてみる。
PERやPBRは、買うべき銘柄を教えてくれる「答え」ではなく、その会社をもっと知るための入口なのだと思います。
私もまだ、個別株について勉強している途中です。
これから実際に銘柄を選ぶときにも、数字だけで判断するのではなく、その数字の向こうにある企業のことまで少しずつ見られるようになりたいと思っています。
以前の私のように、
「PERとPBR、何度説明を読んでもよく分からない……」
と思っている方に、この記事が最初の一歩になれば嬉しいです。
育休中の資産形成については、こちらの記事にもまとめています。

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